代表理事挨拶

2022年度の日本母乳の会代表理事選挙で再選任され、承認していただきました。私は2012年度より日本母乳の会の理事に就任し、現在に至っています。

日本母乳の会は1992年に発足し、第1回の集会は大阪で開催された日本母乳の会の前身である「母乳をすすめるための産科医と小児科医の集い」であり、WHO/ユニセフの共同宣言である「母乳育児成功のための10ヵ条」(2018年に改訂)、「山内の5ヵ条」の実践、そしてWHOの人工乳に関する国際コードを遵守していることを基本に母乳育児の推進に取り組んでいます。2022年度には「赤ちゃんにやさしい病院・BFH」は63施設であり、毎年の施設のデータの報告、3年毎に施設の状況を提出し、継続評価を受けることとなっています。
2022年度に選任された理事は11名、監事は1名です。副代表理事は佐藤文彦氏、永山善久氏、事務局長は永山美千子氏にお願いしています。委員会等はBFH認定関連委員会、データ管理委員会、母乳育児支援研修会、ワークショップ委員会、BFH施設連絡会議、調査・研究委員会、出版委員会、広報・ホームページ委員会、国際会議、健やか親子21担当、財務短担当、母乳育児支援連絡協議会対策、事務局が構成組織です。

BFH施設のNICUにおける母乳育児支援に対して、日本母乳の会は「BFNICU」として認定推薦をする準備をしていましたが、2023年度から認定推薦を開始する予定です。2018年版「実践ガイド」でのNICU/GCUにおける「母乳育児成功のための10カ条」をニュースレターNo.76に記載しております。

調査・研究委員会の「分娩時のおかあさんにやさしいケア検討会」は最終文書を作成し、理事会の承認が得られましたので、ホームページに公開します。皆様からのご意見等をお願いします。「乳頭・乳房ケア検討会」はビデオの作成の最終段階です。「母子同室・同床に関する検討会」は母親アンケートが終了しましたが、産科医療補償制度の原因分析報告書の詳細を検討中です。
母乳育児支援連絡協議会(一般社団法人日本母乳の会 、NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会、日本母乳哺育学会一般社団法人、NPO法人ラ・レーチェ・リーグ日本の4団体で構成)は日本母乳の会より各団体に働き掛け、代表、事務局の決定、母乳育児支援に関する共通点、相違点の認識、4団体以外の母乳育児支援団体が広く協議会に参加できるように母乳育児支援団体を募ることなどを提案し、10月16日に連絡会を開催します。

第30回母乳育児シンポジウムは8月20日、21日に東京で開催し、参加人数は511 名でした。今回、初めてのハイブリッド開催であり、いろいろ心配することがありましたが、何とかシンポジウムを終えることができました。これから反省点を整理していくところですが、オンラインの参加者の臨場感、質問をダイレクトで受けることができないことなど次回のシンポジウム(第31回は広島で2023年8月26日、27日に開催予定)に向けて検討いていきたいと思います。

今回2期目となる代表理事の就任となりますが、厳正かつ公正に責務を全うしたいと存じますので、何卒ご協力とご指導を賜りますようお願い申し上げます。

 
2022年10月

一般社団法人 日本母乳の会 代表理事

吉野和男