ベビーフレンドリー母乳育児支援施設

「赤ちゃんにやさしい病院(Baby friendly hospital: BFH)」と
「赤ちゃんにやさしい病院運動(Baby friendly hospital initiative: BFHI)」


「赤ちゃんにやさしい病院」:BFHは「母乳育児成功のための10カ条」に基づいて、職員に授乳支援の訓練を行い、母乳育児の支援を約束するものです。そのためには、医師、助産師、看護師、薬剤師、栄養士、その他コメディカルスタッフがチームとして取り組むことが必要です。

UNICEF/WHOの推奨する母乳育児は、栄養や免疫の利点に限られるものではなく、親と子の「こころ」と「からだ」の健康全体の推進です。出生直後からの乳房を介する母子の接触により、親と子の絆が強められます。「抱いて授乳、抱かれて哺乳」という行為を通して、親と子の愛着が形成され、「基本的信頼関係」が育まれます。

BFHの理念は、母乳育児支援に限らず、すべての親子を対象とし、妊娠・出産・育児の過程を通した「こころ」と「からだ」の健康を支援するものです。母体合併症や特定の薬剤服用などのために母乳を与えることができない親子への育児支援にも積極的に取り組んでいます。

BFHIは、母乳育児推進運動のことですが、その中心となる施設の組織も意味しています。つまり、BFHと認定された施設は、さらにBFHIとしての役割が課せられます。その役割とは、母乳育児をその施設だけでなく、地域に率先して広めていくことです。BFHIは、出産施設、保健施設、母親サークルなどが施設間連携や組織間連携を行ない、チームとして母乳育児を支援する社会運動の中心的役割を果たします。