代表理事挨拶

第15期 新代表理事としてのご挨拶

 

 この度、日本母乳の会第15期の代表理事を新たに拝命いたしました。私は2016年、第7期に初めて理事を拝命し、これまでBFH関連委員会(認定推薦委員会、認定継続評価委員会)、母乳育児支援研修委員会、出版委員会などを担当させて頂きました。また、副代表理事として母乳の会の事業全般にわたっても少しずつ関わらせていただきました。

 日本母乳の会は「世界母乳の日」「世界母乳週間」の制定を記念して、故山内逸郎先生の呼びかけで1992年に大阪で開催された「母乳をすすめるための産科医と小児科医の集い」を前身として組織され、平成22年から一般社団法人として活動しております。WHO/ユニセフの共同宣言である「母乳育児成功のための10ヵ条」(1989年発行、2018年改訂)、「山内の3.5ヵ条」の実践、そして「母乳代替品のマーケティングに関する国際規準(WHOコード)」の遵守を基本に、「一人でも多くの母と子に母乳で育てられる幸せを」の活動スローガンもと母乳育児の推進に取り組んでいます。

現在、理事12名、監事2名、運営局2名体制で、10の委員会、5部門を運営し、社員、会員から委員会委員の協力を得ながら活動しております。特に、1994年以降ユニセフから委託されている「BFH(赤ちゃんにやさしい病院)認定推薦」業務は大事な役割と認識しております。しかし、近年は社会情勢の変化、妊娠・分娩、育児に対する意識の変化から分娩施設のBFHに向けての取り組みも減少しているのが現実です。

予想をはるかに上回るスピードで進む少子化、晩婚化、出産年齢の上昇、ハイリスク妊娠・分娩の増加、分娩施設の減少と取扱施設への集中、産科病棟の混合病棟化、SNSからの情報の氾濫などなど、母乳育児支援を取り巻く環境は年々厳しくなっています。更にコロナ禍によって、その状況に拍車がかかりました。第1次健やか親子21の最終報告で、平成27年の全国の1か月の母乳率は51.3%まで回復しましたが、今回こども家庭庁から出された令和5年乳幼児身体発育調査の中の1か月の母乳率は34.5%まで再び低下してしまいました。このような状況で母乳育児支援をあきらめる訳にはいきません。むしろその重要性は増してきています。私たちの活動の趣旨に賛同いただける方が、一緒に活動いただけることを切に願っています。このホームページ上から入会申し込みをすることができますので、是非ご検討ください。

母乳育児支援と通して、母子にやさしい社会になるよう皆様と一緒に、また、関連団体とも連携を取りながら尽力していきたいと思っています。今後ともご指導ご支援よろしくお願いします。

                               2025年1月

                                  一般社団法人 日本母乳の会 代表理事

                                               永山 善久